仏壇や墓前にお供えするお花は、お花屋さんで花束として売られているものをいつも購入しています。
先日、庭に綺麗に咲いた花があったのでお供えしたくなりましたが、お供えする花に決まりごとがあるのか気になったので調べてみました。
※宗派や地域によって異なる場合があります。
仏花・墓花とは?
仏壇にお供えする花を「仏花(ぶっか・ぶつばな)」といいます。
お墓にお供えする花を「墓花(ぼか・はかばな)」といいます。
基本的には同じような花を使用した花束になっていますが、茎の長さが異なっています。
仏花は仏壇の花立てに合わせて35㎝程度、墓花はお墓の花立てに合わせた55㎝程度の花束を用意していお店が多いようです。
しかし近年では、仏花を「先祖や故人にお供えする花」と広義の意味で使用されている場合もあります。
仏花・墓花に決まりはある?
・花の色は奇数
3色「白・黄・紫」か5色「白・赤・黄・紫・ピンク」が定番とされています。
華やかすぎず、シンプル過ぎず、適度に彩りよい配色ということですね。
・花の本数は奇数
1束に5本や7本など奇数本の花をセットし、2束(一対)用意します。
2つある花立てに同じ花を飾るので、同じ花束を2束用意します。
気に入った花が入っているからと、異なる花束を2束用意しないように気をつけましょう。
仏花・墓花に適していない花は?
ダメではないけれど、避けたほうが良い花というのがあります。
・トゲや毒を持つ花(バラ、ヒガンバナ、スズラン、チューリップ、スイセン、シャクナゲ)
「死や怪我を連想させる」「毒を供える」などと考えられるためです。
・⾹りが強い(ユリ、バラ、クチナシ、カサブランカ、キンモクセイ)
強すぎる香りは虫が寄って来たり、お線香の香りと混ざってしまうことがあるためです。
・死を連想する花(ツバキ)
・ツルがある(ジャスミン、クレマチス、アサガオ)
ツルが隣りの墓石にまで伸びてしまう可能性があるためです。
・花粉が落ちやすい(ユリ)
花粉が墓石や参拝者の服などに付くとシミになる場合があるためです。
・花びらが落ちやすい(ツバキ・サザンカ)
・すぐに枯れる(ユリ、カサブランカ、ハイビスカス)
すぐに枯れるのは「無常」を連想してしまうからです。
・食用植物(オクラ)
仏花・墓花に適している花は?
・故人が好きな花
故人のことを想いながら選ぶことが一番大切なことですよね。
避けた方がよい花のバラやユリが好きだった場合は、トゲを切り落としたり、花粉を取り除いたりしてお供えすることもあります。
・季節の花
季節の花をお供えすることによって、故人にも季節の訪れを感じてもらうことができます。
・枯れにくい花
墓花は頻繁にお手入れをすることが難しいので、綺麗な状態で長く咲いている花を選ぶことがおすすめです。
これらを考慮して、「キク」「カーネーション」「トルコキキョウ」「スターチス」などがよく選ばれます
おわりに
生花でなく造花やブリザーブドフラワーを仏壇にお供えするご家庭もあります。
仏花や墓花に適していない花でも個人を思い浮かべながらお花をお供えしたいですね。