ちょっと心がつかれているな
なんかちょっとイライラしている
そんなときはどのように対処していますか?
外に出たり、コーヒーを飲んだり、プチ旅行に行ったり、
私はちょっとした気分転換をして平常心を取り戻すようにしています。
でも数年前に柴田トヨさんの詩集に出会ってから、こころのリフレッシュ方法が1つ増えました。
柴田トヨさんとは
ご存知の方も多いと思いますが、1911年(明治44年)に生まれ、2013年(平成25年)に亡くなった詩人です。
70歳を過ぎたころから日本舞踊を習いはじめ、90歳を過ぎたころに詩を書きはじめました。
腰を痛めて日本舞踊が踊れなくなって気落ちしているトヨさんを慰めるため、息子さんが詩を書くことを勧めたのがきっかけです。
2010年の99歳のときに詩集「くじけないで」、翌2011年の100歳のときに詩集「百歳」、計2冊を出版し累計でミリオンセラーに。
「くじけないで」は、韓国、オランダ、ドイツなどでも翻訳出版されています。
2013年には、半生を描いた映画「くじけないで」が上映されました。
詩集「くじけないで」
「風と陽射しと私」では心が温かくなってほっこりと、
「くじけないで」ではそっと背中に手を当ててやさしくさすってもらったような、
「化粧」ではおしゃれなトヨさんが心がけていることを教えてもらったような気分になりました。
詩集にはトヨさんの写真が数枚載っていますが、柔らかくて穏やかな微笑みを浮かべた表情で、おしゃれで小綺麗な身なりをされています。
内面からにじみ出る美しさと、丹念におつくりをして身だしなみを整えるという心がけ、とっても素敵ですよね。
トヨさんの詩
強くて厳しい言葉や難しい表現などではなく、素朴な言葉でやさしく語るように書かれています。
言葉には人柄が出ると言われますが、感謝の気持ちと小さな幸せを大切にしているからこそ湧き出る数々のことばに、読んでいるだけでほっこりと心が温くなります。
あとがきに、このような記載がありました。
・詩作でわかったことは、人生、辛くて悲しいことばかりではないこと
・人生、いつだってこれから。だれにも朝はかならずやってくる
くじけないで
豊富な経験をされたからこそのことば。
日々の生活で疲れたこころを癒すため、こころに刻んでおきたいですね。
癒され、そして励まされ
詩では癒され、生き方では励まされました。
70歳を過ぎてから始めた日本舞踊では教える立場にもなり、
90歳を過ぎてから始めた詩作では産経新聞の「朝の詩」に投稿したり自費出版したり。
いくつになっても新しいことを始めてもよい、そんな勇気と励ましを教えてもらった気がします。
定期的に再読したい本です。
書籍情報
- 書名:くじけないで
- 著者:柴田トヨ
- 出版社:飛鳥新社
- ページ数:112ページ
- 初版年月:2010年3月